【社長インタビュー】常務取締役 池下静代さん

テントの利用シーンはさまざま 感謝される仕事です

 
当社の理念は、「貢献・感謝・信頼・創造」です。これは、社長の「会社だけ良ければそれでいいわけではない。社員や地域にも貢献できるような企業に」との思いが込められています。社員の家族も、同じ仲間と捉えるのが、当社の特徴です。働いている社員が、家族の生活を支えられなければ、意味がないと考えています。

当社の事業内容は、テントの設計・製造・施工です。創業当時は、車の座席（シート）の張り替え・内張（うちばり）を行っていました。

先代の社長（現会長）が当時、巷に「テント倉庫」と言われるものが出始めてきたことに目をつけ「これからの時代はテントだ」と、テント屋さんに修行に行ったのが始まりです。

今では、テントとそれに付随する業務を一貫して行っています。全国で見ても、テント業界は970社ほどしかないと言われますが、その中でもこれらの工程すべてを手がけている企業はなかなかありません。「シート」という一貫性を持ちながらも、時代のニーズに応えてきた結果、今年50周年を迎えることができました。

創業当時は景気の流れもあり、ちょうど工場が増えてきていた時期。テントの需要も増えていました。工場が一般建築で、製造したものや材料などを保管する倉庫を建てようと思うと、高額な費用と長い工期が必要です。一方、テントはより安価で工期の早い。簡単に倉庫を設置できることから、工場を中心にニーズが多くありました。

当社では電気工事も請け負っています。テント内にも電気や空調設備をつけることがあるため、テントのことがわかっている電気屋さんの方が、お客様のニーズに応えやすいからです。働く側からしても、外部の業者さんよりも、コミュニケーションを取りやすい同じ会社の社員の方が、いい仕事ができるのではないかと思っています。

製造するテントは、お客様から「こういうもの作れない？」という要望からスタートすることがほとんど。一貫して当社で施工まで行えるため、自由度が高く、お客様の要望に応えやすい点は強みです。そうした点で、日本のあらゆる企業さんを支えさせていただいていると自負しています。

一般建築では倉庫を建てることが難しいような場所でも、テントであれば柔軟に、そして自由に設置することができます。撤去も簡単です。

ダムの建設地に、テントを提供したこともありました。ダムの建設は、決まった工期があるものの、雨が降ると作業が進まなくなることがあります。そこで、「エアードーム」と呼ばれる基礎・鉄骨を使用しないテントを提供し、トラックを停めたり、作業をしたりする場所として使っていただきました。テントは、簡単に移動することも可能です。ダムの建設は移動しながら作業をするため、お役に立てたようです。

一緒に100年企業を目指してくれる「野心家」求む

当社では長く働いている社員が多い一方で、その分社内の平均年齢が高くなってきています。

現在、社員は40代が中心です。一人前に育てていくためには、やはり10年程度はかかると想定しています。当社は「100年企業」を目指していることもあり、今のタイミングで、若い社員を増やしていくことが必要だと感じています。

今は、特に営業を強化したいと考えています。そのため、20〜30代の営業職を希望する方に来ていただきたいです。元々は社長が営業を行っていたこともあり、現在の営業部は60代・50代しかいない状況です。製造を兼任している営業担当もいます。

働く上で、営業経験は問いません。もちろん、何かしらの営業経験がある方は大歓迎です。

求める人物像は、「やる気」と「野心」がある方です。営業職は、お給料とは別に成果報酬型（インセンティブ）を取っているため、野心のある方なら会社のためはもちろん、自分のためにも頑張っていただけるのではないかと思います。あとは、営業に限りませんが、仕事をする上で「思っていること・悩みを口に出してくれる人」が望ましいです。

どの職種を希望していたとしても、現場は経験してもらいたいと考えています。テントのことがわからないと、自分の担当業務を根本から理解することが難しいからです。

しかし、若い世代の方の中には、現場での作業を嫌がる方がいるのも事実です。当社は製造業でありながら、建築業でもあるため、しっかりそこは初めに説明をさせていただきます。

はじめは先輩について、OJTで仕事を覚えてもらいます。慣れないうちは訳も分からず、言われることをこなすだけになってしまうこともあるかと思いますが、誰しも通る道なので心配はいりません。「とにかく数をこなすこと」も、この仕事ではとても重要です。設計を希望して入社した社員も、2年現場を経験しました。今年の11月から設計を担当してもらう予定です。

当社には、アットホームな雰囲気が好きという社員が多い印象です。年齢層も幅広く、とにかく社員同士の仲がとても良いです。70代の社員と、20代の社員がとても仲が良いなど、年齢に関係なく仲良しになります。そのようなアットホームな雰囲気に馴染める人がフィットして、長く勤めてくれていると感じています。

協調性を持ちながらも、会社でも『自分らしく』いてほしい

年に1度、社員旅行に行きます。旅費・宿泊費は全額会社負担です。社員旅行は、社長から社員への日頃の感謝の気持ち。ほとんどの社員が参加してくれます。旅行中にあまり気を使わなくていいように、自由行動が多く取るように工夫をしています。昨年は初の海外、タイに行ってきました。旅行中の食事なども、できるだけ負担できるようにしています。

有給の消化率が高い傾向にある点も、当社の自慢できるポイントです。中には1年で有給を使い切る社員もいます。有給は「3連休にしたい」など、自分の好きなように使ってもらって構いません。

年末は時期的にも忙しくなるため、忘年会はなかなかできていませんが、新年会は泊まりで行います。美味しい食事・お酒を囲んで、みんなで親睦を深めます。

職種を問わず、事務処理など「仕事としてやらなくてはいけないこと」はたくさんあります。そういうところは、きちんとやってもらう必要はありますが、できるだけ「その人らしさ・個性」を大切にしたいと思っています。

特に営業の場合、スタイルは人それぞれです。お客様によって、好む営業マンのタイプも違うでしょう。だからこそ、「このやり方が良い悪い・正しい正しくない」はないと考えています。当社が、自分らしさを出せる環境になればいいなと思います。ゆくゆくは、その人のやり方・スタイルで活躍してもらいたいです。

社員同士の距離が近い分、協調性も重要です。考えていることを自分の中だけに抑えずに、自分の言葉で伝えてほしいと思います。やっているうちに、結果はついてくるもの。結果が出なくても焦らず、一緒に仲良く仕事をしていきましょう。